おんな城主直虎 第23回「盗賊は二度仏を盗む」

第21回からの龍雲丸編が一段落という感じなのかな。副題は「郵便配達は二度ベルを鳴らす」からだと思うけど、艶っぽい展開というよりはミステリ的な小細工を楽しむ回かなぁ。なんていうか、大河っぽくないというか、木曜時代劇っぽいというか、キャラ重視な話だった気がする。

前回の酒乱直虎の反省会面白かった。六左の悪気&容赦のないツッコミと直虎の表情の掛け合いが可愛い。基本的に直虎の言動はいつも突拍子がないので、多少酒乱で言動が乱暴でも全然誰も気にしていないっぽいのも笑える。青ざめる直虎&気にしない家臣というのがシュールで良かった。そして近藤の前で「あの者たちはもう盗みなどしない!」発言。酔っていないのにうっかり発言で自ら窮地に立たされる直虎…そうだよ、君はそういうやつだよ…。

そして今回は南渓和尚が策士っぽいことしててちょっと面白かった。小芝居が本当に小芝居でニヤニヤしちゃう。それにしても近藤さん結構なりふり構わず井伊に対してプレッシャーかけてくるんだなぁってちょっと意外だった。もみあげキャラは悪い人じゃないという忠勝効果に騙されてた。でも「本尊が盗まれた」って結構ショボい難癖なのでは…そうでもないのか…?そして結局全部南渓和尚の手のひらの上…あ、そういえば南渓和尚に経を読んでもらえるなんて光栄って言ってたけど、南渓和尚って位の高い僧侶なんだな!ってわかる描写になってて感動した。ただの酒飲みの昼行灯じゃないんだなぁ。

ついに政次がデレる。というか、龍雲丸に対してこうも明確に配慮してくれちゃうとかフラグ立ちまくりで怖い。龍雲丸たちを逃がそうとする直虎よりもさらに前に、政次は逃がすための手を打ってる。それは直虎のためでしかないんだけど、そういう無茶無理難題な状況に対応するのを、政次はもうこの時点では楽しんでるよね。面倒をかけられるほど嬉しいってどんだけマゾいのか…そしてその伝令になつさんを使ったっていうのがさぁ!もうさぁ!あんたたちさぁ!!ってジリジリする~!直虎と政次の関係性にめっちゃ萌えるけど、政次となつの関係性にも萌えるんだ~!そして恋愛として応援したいのはなつさんなんだ!お前ら結婚しちゃえよ~!!

井伊家の家臣となる申し出に対して、みんな結構乗り気。でも龍雲丸は考えてしまう。自分が尼小僧に惹かれているのを内心知っているからこそ、心に素直に従えない…んじゃないかなぁ。お家の再興が出来るかもしれない、武士に再びなれるかもしれない。そういう昔からの(心の奥底に封印していた)悲願だけしかなかったら、龍雲丸はもっと直虎の申し出を損得で判断出来たんだろうなって思う。でも、仕官できるならしてみたいという気持ちの中に、直虎という女性に対する何かを感じて、迷ってるんじゃないかなー。そうだといいなー。

そして最終的な「空に雲があるからでさぁ!」と言った時の晴れ晴れした顔!あれはねー、いいよねー。柳楽優弥のこの言い方が本当に見事で。心の奥底にある仕官への夢をキレイに昇華して、自由に生きることを自ら選んだってことなのかなぁ。そして直虎への感情もここで一度、キレイに供養している気がする。少なくとも、供養しようとしている気がする。自由に生きる龍雲丸として、直虎に新たに向き合う決意を固めたのかなぁって。そういう晴れやかさがあの表情にはあったと思う…んだけど、思い入れありすぎか。

最後に政次すら笑ってたのが印象的。政次もすっかり井伊家臣団に馴染んできたよなぁと。前は小野の名前は本当に忌避される的な感じだったのに、今は小姑みたいな厄介なあいつ的な扱いになってるの、本当にこの形のまま進めたら良かったのに的な胃にキリキリくる感じなのホントしんどい。

・政次の咳はこれアカンやつでは…いわゆるフラグでは…
・走る直之が可愛い.もう本当に可愛い。