西郷どん 第42回「両雄激突」

大久保ついにダークサイドへ。前回の蜜月から一気に壊してきた感じするけど、残りの回数考えると巻きで進めないと西南戦争終わらないので仕方ない。ただ、大久保と西郷の決裂って結構大きな見せ場でもあって、最初からもっとそこを盛り上げるためのいろんな伏線張ろうと思えば張れたよね?という思ってしまうのが残念。やっぱり時間配分間違ってたよな~。大島編に4週はかけ過ぎだった気がするな~。所詮結果論だけども。

前回、大久保から西郷への感情は「嫉妬と執着のせめぎ合い」だなって思ったんだけど、今回それを更に拗らせてて、これこれ、こういう積み上げが見たいんだよ!とワクワクしながら見られた。明治編になってから、以前よりは見てて楽しい。これは自分が作品に慣れたのか、ようやく制作陣の作りたいターンがやってきたのか、そのあたりは良くわからない。なんかもう、鈴木亮平さんの西郷隆盛像に圧倒されて、なんでも良くなったのかもしれない。

大久保にとって西郷は、自分が欲する「他者からの信頼と尊敬」を一身に集める存在で(残念ながらその根拠はきちんと描かれていない気がするけれど、大久保が西郷をそう思っていることはわかる)、強い嫉妬があるのは確かなんだけど、一方でその嫉妬の対象である西郷が大久保自身を誰よりも信頼しているというところに強い自己肯定感も感じていて、だからこそ大久保から西郷への気持ちというのは厄介なんだろう。今回、大久保は遣欧使節団としての役目を果たせなかったことでプライドをへし折られてるところに、留守組の西郷が自分たちを差し置いて国政を思うように進めていて、何よりもそれが一定の成果を出しつつある(=自分の必要性が脅かされる)ところに強い危機感を抱いた結果、西郷に「自分に付け、自分を信じてくれ」って迫ってたのが面白かった。そしてその誘いを断られたことで、態度を一変して西郷排除のために全力で動いちゃう極端なところ、嫌いじゃない。でも現実問題として友だち付き合いはしたくない。

新政府の腐敗っぷりは今回も続行で、山縣有朋の絵に描いたような汚職事件は思わず笑ってしまった。刀の鞘にお酒入れて飲むとか俗物っぷりが潔かった。それにしてもせっかくの村上新悟さんの美声が全然聞けなかったのが残念。直江状とは言わないけど、もう少しセリフあっても良かった!