おんな城主直虎 第25回「材木を抱いて飛べ」

高村薫要素あったか…?材木を抱いて飛ぶ要素あったか…?ただ、龍雲丸が船で疾走するシーンは壮大で「抱いて飛ぶ」と言われたら納得するようなそうでもないような…わからん。

龍雲丸が尼小僧様を話題に出された時のこそばゆい据わりの悪い感じがなんともムズムズする。気になっているけど近づけない(と自分自身で決めている)相手。でもやっぱり気になる。そういう自分自身が嫌いじゃない。そういう複雑な甘酸っぱい感情を完璧に演じてたと思うんだけどいかがか。ムズキュン要素は(私は)大河には全くこれっぽっちも求めていないけど、あればあったでやっぱりムズキュン出来て楽しいので大変よろしゅうございました。

直虎の成長~!関口殿の嫌味ったらしい当てこすりに対する対応が、初期の初々しい反応と比べてものすごい落ち着いてて感動した。非常時になると途端に有能になる領主様頼りがいがありすぎるだろ~!

直虎と政次の一人囲碁最高!!一手ずつ交互に切り替わるカメラアングルの演出がめっちゃカッコよくてテンション爆上げした。南渓和尚の「一人に見えるのか?」って問いかけからの流れが本当に本当に滾った。ここ、ちょっと自分でも思い返してハッとしたんだけど、この時点での直虎の精神的な補助役はもう完全に政次なんだな。「一人じゃない」って言われて、魂の伴侶たる直親じゃなくて、今生きている政次をちゃんと思い浮かべられるという描き方がいいよなって。思えば、そのためのこれまでの直虎と政次の深夜の囲碁シーンの積み重ねだったんだなって。

そして「俺の手は冷たかろう」って言う政次に「冷たくて気持ちがいい」じゃなくて「昔から冷たい」としか言葉にしない直虎に、もう…もう…!だけど言葉にしなくても二人の間ではこれでちゃんと通じ合ってるっていうこの…この…!これだよ!この距離だよ!超萌える!!

氏真のお坊ちゃん感最高。ホント小者で憎めなくてお茶目で可愛い。無能じゃないけど傑物でもないっていう描き方と演じ方がピッタリ噛み合ってて素晴らしいなっていつも思う。今回駿府で「気賀を誰に任せるか」って頭悩ませてるシーンがなんかすごく等身大?っぽくて良かった。あと政次に「ついに時期が来たぞ」って悪い顔で笑ってたけど、その内容が「井伊の領主から直虎を引きずり下ろす」というめっちゃ小さい案件なのもすごく良かった。大きすぎる武田や織田の脅威に対して絶望感しかない中で、井伊程度なら御せるって思って張り切っちゃうコモノっぷりが愛しい。そして、直虎の堂々とした申し開きに完全に呑まれてる感も本当にコモノで愛しい。20年前の蹴鞠と同じく、直虎の粘り腰にまたしてやられることになったってことだよな。愛しい。

直虎の申し開きシーンは圧巻で見事だったし、カッコよかった。大河の女主人公が啖呵を切るならこうあって欲しいという理想像だった。ベルばらだよーオスカル様だよー素晴らしいよー。そういえば前回の申し開きシーンも男装でカッコよかったし、直虎にとっては対今川というのがやっぱり一番の戦闘シーンなのかな。ただ、ホントカッコいいシーンなんだけど、デジャヴを感じちゃったのも確かで、二番煎じ感は出ちゃうよなぁとも思う。15回の対寿桂尼様の時とほとんど同じ構図だったし展開も同じだけど、何か意味があるのかなぁ…見比べると違ったりするんだろうか。より直虎が成長して、自分の言葉で自信を持って喋っている感は確かにあったけど。そういう意味では演技や演出が緻密って言うことも言えるのかも。

 

・冒頭の虎松と政次の囲碁。虎松が負けず嫌いに成長してる!!17回からのこの成長!!