おんな城主直虎 第6回「初恋の別れ道」

甘酸っぱいサブタイの割に、内容は結構エグいというか、不穏というか。次郎のあれは「恋」だったんだろうかと疑問に思いつつ、まぁそれ以外に言いようがないのも確か…なのかなぁ。相変わらず直親が聞き分け良すぎて不気味。
 
直親が「自分と添い遂げるために(名目上)死んでくれ」って言うのは、ある意味究極のロマンチック話なわけだけど、あまり好意的に見られないのは史実を知っているから?あるいは直親のキャラ付けのせい?政次と玄蕃が「聖人君子でしたね」と言い合う場面を入れながら、最後に政次に対してだけ「おとわはお前のものにならない」発言をさせるあたり、直親についてはかなり含みのある書き方がされている(ように見える)のが面白い。そしてそれに直面する政次の胸の内が明らかにならないあたりもジタバタする~!
 
そして「自分のために死んで欲しい」と無茶振りをしつつ、次郎が熟考の末「井伊のためにそれはできない」と断ると、潔くさっと身を引く直親の如才なさよ!そういう男上げエピソードをここまで配置させられながら、なんとなく胡散臭く見えるのは何なのだ…私の見方が穿ち過ぎなのか…それとも脚本と役者の演技にしてやられているのか…直親の今後が不気味なんだけどものすごく楽しみ。
 
そして、次郎の直親への気持ちはやっぱり恋愛感情ではないよなぁと思ったり。おとわの時代から一貫して亀(=直親)に対して深い親愛の情があるのは確かだけど、そしてそれが再会の約束と会えない時間効果で初恋だと認識しているのは確かだろうけど、でも正確に言えばやはりそれは恋愛ではなくて親愛なんだろうって気がする。そして、この時の次郎にとっては、直親よりも井伊家(の治める国)の方が、さらに優先すべき存在ということなんだろうなぁ。そこにあるのは自己犠牲的な精神ではなく、そちらをより強く自分自身が望んでいるのだと吹っ切れるのが次郎の強さだっていう風に感じられた。お家のために自己を殺してだと、あまりに重すぎて見てられないっつーのもあるし、森下脚本らしくないし。やっぱりね、自分で選んだ末の道であって欲しいよね。
 
政次に対してはなかなか容赦ない設定をガンガン詰め込んでくるね…なんかさー、中の人が高橋一生なので、不憫枠っていうか報われない役どころがあまりにもハマりすぎてしまい、それ自体は史実も合わせて仕方ないんだけども、見ていて胃がキリキリするというか。これって最後まで政次が報われないままだったら私キレるよ?森下さんならそうしないとは思うけど、ほんと頼むよ?別にいい思いさせたいとかハッピーにして欲しいとかは全然思わないけど、ちゃんと最後に納得して去って行けるような展開を希望。じゃないと可哀相すぎるので。
 
竹千代&瀬名の方も面白くなってきた~!雀は鷹にならない!と発破をかけられて、最終的に雀を懐かせてしまう竹千代と、それを見て「うっそぉ!?」と言う瀬名wこのふたりにどういう経緯を踏ませるのかもめっちゃ楽しみ。少なくとも、今の段階で瀬名姫の生きていく道の方が次郎の三角関係よりも断然面白そうなのは間違いない。