おんな城主直虎 第1話「井伊谷の少女」

三谷幸喜色全面で、良くも悪くも話題になりまくった「真田丸」のあとはやりづらかろうなぁ…という半分同情のような気持ちになりつつ見る2017大河。とはいえ、そういう見方もまた失礼なのかなぁ。私は三谷幸喜作品大好きなんだけど、さすがに一年ぶっ続けで見続けて「すっごい面白かったし、5年後10年後にまた別の三谷大河見たいけど、しばらくはお腹いっぱい」という状態なので、落ち着いた大河を見たいという気持ちが強い。

一話目を見た限り、一年間見続けられそうでかなり楽しみになってる。雰囲気としては「八重の桜」にものすごく近い気がして、あの前半の意欲で一年通してくれたら神だったのになぁって思い続けてる八重のリベンジになって欲しい作品。何はともあれ、脚本の森下佳子さんの気力が一年間続くことを切に切に祈るしかない!

子役3人がすごかった。鶴丸役の小林颯くんは去年のチャグム。その時はあまりどうとも思わなかったけど、今回高橋一生になる前段階として見たら、あまりに「らしい」姿にびっくりした。これって上手く選んだというのもあると思うけど、顔立ちだけじゃなくて立ち居振る舞いとかキャラ像とも合わせた摺り合わせの上手さだよなぁって心底感心した。亀之丞役の子(藤本哉汰くん)の美少年っぷりや、おとわ(新井美羽ちゃん)の押し出しすぎない元気ッ子ぷりを堪能。最近のイメージだと大河って一話目だけ子役で二話以降主演俳優を出しちゃう見せ方が多かったけど、今年は一月中は子役月みたいで、今回の子役がゆっくり見られるのは楽しみ。

鶴丸がおとわに「お前は領主の姫だからまわりが気を使うんだよ!…バーカ!」って言うところが最高に良かった。あの最後に「…バーカ!」ってなっちゃうところがいいよなぁ。頭が良くてわきまえてて、でもそれでも感情が高ぶって出ちゃったのがあの「バーカ」かと思うと愛おしい。自分の父親が今川と繋がってる(=おとわや亀とは潜在的に対立陣営である)ということに気づいた時の表情とかもなんとも言えず切ないし、これからどれだけ板挟みになっていくのかと思うと本当にいい人選ですね!って言いたい気持ちでいっぱい。

おとわの父直盛(杉本哲太)と亀の父直満(宇梶剛士)の関係がちょっとわかりにくかったかなぁ。一応直盛が「叔父上」って呼びかけてたからちゃんと見てればわかるし、公式サイトとかウィキペディアとか見まくるからいいけど、直盛の祖父直平(前田吟)も混じると「結局誰がエラいんだよ!?」みたいな気持ちにならなくもない。あと南渓和尚小林薫)が直満と兄弟とか、一度見てわかるもんか?今回はまだそこまでは理解しなくてもいいのかな。せっかく軽快なナレーションなんだから、もっとナレでガンガン説明していくやり方とかダメなのかなぁ。雰囲気変わっちゃうか。

直満が今川義元に首切られるのは、正直まぁこの時代だったら仕方ないよね的な感想でそれほど重く感じなかったんだけど、やっぱり一般的には重いんだろうか。むしろその後亀を差し出すように求められて逃がすあたり「直盛頑張るなぁ!」って思ったからね。まぁ当時は力で抑えつける関係性だろうから、今川もある程度の井伊の反発は折り込み済みなんだろうけども。南渓和尚と寺の僧侶が全員でのらりくらりと今川の捜索をジャマする場面があるから、おとわが亀のフリして逃げ回るのも全然アリでしょって思えるのは良かったと思う。活発的で自主性のある女の子を魅力的に描くのって難しいと思うんだけど、今回は見ててほとんど「おとわウゼー」って気持ちにならなかったのはすごい。自分が領主になるつもりでいて、亀と結婚して婿養子にって話を聞いた時に、その場では不満をにじませつつ空気読んで反論しないおとわは好感度高かった。おとわの不満を直満は察知せずに、亀だけが察してるという描き方もいいよね。お互いを思いやろうとする気持ちみたいなのをあれだけで感じるもんな。

一番笑ったのが亀がウジウジしてる時におとわが「私がお前の代わりに全部やってやる!」と元気づけて、それに対して亀が「お前が竜宮小僧になってくれるのか?」って聞くところ。丸投げ上等かよ!?そこは「自分も強くなってとわを守る!」じゃないんかと。でも、亀はそういうキャラなんだろうなぁって気がするし、だからこそいいのかもしれない。亀が成人して直親(三浦春馬)になった時のキャラ楽しみだなぁ。来月以降の柴咲コウ高橋一生三浦春馬の三角関係にこんなにも胸躍るとは…!

・まさか菅野よう子が大河音楽やる時代になるとはなぁ…
・まぁ、川井憲次の無駄使いしてた大河もあったから、ありっちゃありか。
・おとわ役の子役が成長したら井上真央っぽいという評価には「なるほど納得」と思った。
・とはいえ、柴咲コウになるっぽい子役で元気ッ子はムリありそうなのでいいと思われ。
・鶴丸→高橋一生がちょっとハマりすぎて怖い。
小林薫南渓和尚が猫抱いてる図はちょっと姑息すぎると思う。