おんな城主直虎 第2話「崖っぷちの姫」

タイトル書くたびに(まだ2回目だけど)この「おんな城主」ってタイトルはもうちょっと何とかならなかったのかと思う今年の大河。タイトルで損してると思うんだけどどうなんだろね…?
 
ごちそうさん」の再放送(森下佳子脚本)を見ているからこそ感じるのかもしれないけど、おとわがめ以子に見えて困る。いや、あの食欲魔神なところではなく、なんていうか空気読まずに我が道を行く傍若無人さとかすごく似てる。考えてみたら「天皇の料理番」の秋山篤蔵もある意味そうだったよな。森下さんの好きな主人公タイプなのかもしれない。これで理不尽に主人公が持ち上げられると視聴者として腹が立ってくるんだけど、森下さんは傍若無人な主人公にそれゆえの因果と試練をガッツリと与え、その中でどうもがいて再び立ち上がるかを描く人だと思ってるのであまり不安は持ってないけども。今回もそういう路線なのかなぁ、そうなんだろうなぁ。だったら今は耐える時期なのかなぁ。そういえば「ごちそうさん」も初週ツラかったよなぁ。とかつらつら思いながら見たり。
 
おとわが亀に対して持ってる感情が「恋」なのかよくわかんないんだけど、これって恋なんだろか?あまりそう見えないから、おとわが心底まわりの空気を読めない姫にしか見えなくて困る。一心に亀を待とうとするっていうのは一途で健気な少女の行動のはずなのに、そう思うに至ったおとわの心情がさっぱり理解出来ないので、なんかちぐはぐなんだよなぁ。一話ではあまり気にならなかったけど、今になってみると、それまで自分が当主になるつもりだったのに、親に決められた許嫁にいきなり心底入れ込み始める少女っていうのが違和感あるのかなぁ。そうなるに至るきっかけとがかガッツリ描かれればまた違った印象になった気がするんだけど。まぁまだ描かれていない別の解釈があるのかもしれないし、ちょっと保留かな。
 
ムロツヨシの「となり村に死者を出した時に代償として差し出されるための存在」という当時の壮絶な村システムと、それをきっちり描く姿勢に二度びっくり。かなり刺激的な設定だと思うんだけど、こういうのちゃんと描くとドラマがピリッと引き締まるというのもあるのかも。いずれムロツヨシは出世して豪商になって帰ってくるらしいからそういうギャップも楽しいのかな。
 
おとわの母の千賀(財前直見)がちゃんと戦国時代のインテリ女性っぽくて好き。今川筋の出身でありながら、井伊家の正室としてお家存続のために毅然としてるところいいよね。おとわの暴言に「阿呆ぅ?」とプチッと怒るところとかほんと好き。去年の稲姫もそうだったけど、当時の婚姻は政略的なものだけれど、嫁いだ先でその家の家風に馴染んでその家を守るために戦う女性が好き。どこかで見たんだけど、当時の女性にとっての政略結婚はむしろ今で言う就職のようなものっていう解釈はなるほどなぁと思った。
 
今のところ作中では井伊家の家臣には小野和泉守(吹越満)は悪者っぽく扱われてるけど、見てる方としては実際に直満(宇梶剛士)が謀反を企てたのも、それに対して申し開きを何も出来なかったことも事実なので、特に小野は悪くないんだよね。そのあたりをどうやって描いてくるのかなぁ。息子にたいしてボソリと「可愛げがない」って吐き捨てるシーンあったから、この親子関係が今後かなり見所になる気がする。言葉が足りなくてお互い親と子の気持ちを理解し合えなくて不幸になっていくやつなのでは…それなんて清盛重盛親子…(涙)