いだてん 第14回「新世界」

OP見ててスヤさんの名前が「春野スヤ」に戻ってて「!?!?」てなる。え、旦那さん亡くなったの!?もう!?展開早くない!?!?

今回からの新キャラ、二階堂トクヨさん。初っ端からインパクト強すぎて笑うしかない。「精一杯やって勝てなかった理由を聞いている」「たまたま男に生まれただけのボンクラという意味だ」言ってることは心から同意できる内容なんだけど、言い方~、その言い方~~て思ってしまうから、こういうのって難しいよな。それをうまく笑いに昇華させてるのが小憎らしいほどに上手いし、でもだからこそどこか少しズルい気もする。

ていうかこの女傑が永井先生の弟子というのが意外だった。永井先生って女性の社会進出とかにあまり良い印象持たなそうなイメージなのに、意外と先進的な感覚を持ってたんだな。その割に頭難いし融通きかないけど…むしろトクヨさんに押されて無理やり認めさせられたクチか? 持ち前の思い込みでぐいぐい来るトクヨさんに煽てられてその気になって、いつの間にかトクヨさんの論調に取り込まれたとか、そういう流れが容易に想像できる…。このわずかの登場シーンでそこまでキャラ立てるトクヨさん素晴らしいな。脚本もすごいし、寺島しのぶさんがはまり過ぎてるよな~。

日本の体育が50年遅れているっていう現状分析は同じだし、そのためにこの敗北から学ばなければならないっていうのは共通認識なのに、その向かう道が全然交わらない永井先生と嘉納先生面白いな~。ここまで見てる側からだと圧倒的に嘉納先生の肩を持ってしまうのだけど、永井先生が間違ってるわけでもないんだろうなって思えるこの構成のバランス感覚、相変わらずすごいよな。

永井先生が四三に説教する部分。四三の敗北がそのまま嘉納先生の方法論の失敗という結論になってしまうのがしんどいなぁ。この場合、実際にどうだったかどうかよりも、望む結論のために起こった出来事を無意識に利用してしまうという、人間の習性みたいなのを見せつけられてるようで座りが悪い。でもさぁ~それって人間として逃れられない部分なんだよなぁ~。だからこそ四三にのしかかるプレッシャーはますます増していくわけで。自分の夢が自分だけの夢にならないのは、こういう面もあるんだろうなぁ。

全体的に永井先生に対して(笑い話的に脚色しているけど)明確に批判的な論調なの面白いな。でも批判的な嘉納先生や可児さんが正しいのかって言うとそういう描き方でもなく、永井風に対する対抗馬として嘉納先生が弱すぎた…というかやらかし過ぎて政治的基盤を軽視しちゃったから仕方ない的な描き方なのが面白かった。つまり永井風が広まってしまったことの原因は不甲斐ない嘉納側にあったとも言える…のかな。それにしても、肋木。あれ本当にどの小学校の体育館にもあったけど、こういう経緯で導入されたのか…小学校6年間で一度も使った覚えのない器具…アレがこんな時代からあったとか…びっくり。クドカンさんも調べてびっくりしてエピソード作ったのかなぁとか考えると楽しい。

今週の朝太。先週の初高座の失敗もやらかしてたけど、それ以外にも普通にいろいろやらかしてて笑う。「フラがある」という言葉の「フラ」はここでは明かされなかった。でもいい言葉なんだろうな。今後明かされるのかわからないけど、やっぱり円喬師匠は朝太に何かを見出してたんだな~。そして駅に見送りに向かうシーン。これまでも人情家だと薄々わかってはいたけど、いまいち何考えてるのかわからなかった円喬師匠の「いつも美濃部君に送ってもらってきたんだ」ってセリフに胸を射抜かれた。うっわ、これズルいわ~。こうやって、本人じゃなく第三者への言葉でデレが明確になる展開、めちゃくちゃツボなんだよ~。何だよこんなとこで師弟萌えぶち込んでくるの反則だろ~。好き。

駅に向かう途中にいきなり入った松尾スズキさんの「わかってるよバカヤロウ(ビートたけしのモノマネ)」にどえらいびっくりした。すごいメタ要素ぶっこんで来たな!?こういう「わかる奴だけわかればいい by花巻さん@あまちゃん」的なネタ、面白いし自分は好きだけど、好みが別れそうな部分ではあるよな~と思ったり。こういう要素って大河と相性悪そうなイメージあって、そこをあえて入れてくるか~という思いはあれど、これを封じるなら脚本がクドカンさんである必要性もないわけで、難しいところだなぁとも思う。

私はこの作品がとても好きなので、「大河としては視聴率が悪い」とかいうクソどうでもいい指標でのヤジで作り手側のモチベーションを下げて欲しくないからこそ思ってしまうのだけど、この作風なら大河じゃなくても良かったのでは?という気持ちもないわけではなく(その方が余計なヤジが出にくいからで、大河らしくないからとかではない)、でも作り手側はあえて大河でこれをやることに意義を見出しているかもしれなくて、なんかもうその辺を考え出すと「いーっ」てなる。私などが心配せずとも、作り手はプロなのでちゃんと自分たちでモチベーションを管理できるはずなので、あまり小難しいことは考えずに面白いなって思いながら見ればいいんだよな、多分。そう思い切れるようにしたい。

閑話休題。別れ際の駅でのやりとりがまた泣けた~。お互いに対してはどこまでも素直になれないのに、目の前で小円朝師匠に「頼むよ!大事な弟子貸すんだから」って必死で頼む姿にもやられたし、それを目にした朝太の…というか森山未來さんの演技が素晴らしくって。あの瞬間、朝太は自分が本当に円喬師匠に見込まれていたんだと信じられたんだろうな~。なんかこれフラグかな。フラグっぽいな。フラグだったら悲しいな~。あと最後の「フラフラ」はネタとして思いっきり滑ってたけど、これそう言う演出…だよな? あるいはクドカンさんの照れか。

今週の弥彦。天狗倶楽部の脱ぎ納め。こうやって時代の空気が変わっていくのだなぁというのがヒシヒシと感じられた。あと本庄さんは相変わらず天狗倶楽部推しなんだな~。ということは先週四三に対して意地が悪いような描写に見えたのは彼女がシニカルなキャラってだけなのかな。極端な弥彦推しだから、弥彦より注目されてた四三に対して悪印象があるとかそういう裏がある可能性も…ないか。

四三と弥彦が仲がいいのが良いなぁ。生まれも育ちも生きる世界も違う二人が、オリンピック出場という非日常によってなにものにもかえがたい強い絆で繋がってるの、それだけで普通にエモい。生田斗真さんの弥彦、本当に素晴らしいんだよな~。顔の表情がいちいち大げさにクシャって歪むのが何とも芝居がかっていて、貴族という存在の不確かさをむしろリアルに感じられた気がする。

四三の熊本帰省。お兄ちゃんがほんとブレることなくお兄ちゃんで気持ちいい。「何も言うな、俺に任せろ」の時はロクな結果にならないという教訓笑う。そして突然のスヤさんとのお見合い&幾江さんの「説明してる時間はなか。続きは来週」のセリフw 突き抜けすぎwww 続きが気になる~!こんなとこで一週間待たされたらじりじりしただろうな~。私は明日すぐ見る!