おんな城主直虎 第37回「武田が来たりて火を放つ」

柴咲コウさん美しい~~~~!これまでで一番直虎が美しかった回は直之のフリして今川屋敷に乗り込んだ男装回(第15回)だと思ってたんだけど、今回はそれに負けないくらい美しかった~!農民としてのほつれた髪とか粗末な衣装とか、何よりも鎧姿とか、とにかく柴咲コウさんの美しさをこれでもかって引き立てる絵ばかりで眼福だった~。これまで散々「その髪型はどうよ?」っていう禿ヘア(っていうの?)だった不満(てほどでもないけど)が一気に晴れた!
 
あやめの嫁ぎ先。あれから何年経ってるのか知らんが(おとわの馴染み具合を見れば、1年くらいは優に過ぎてると思われる)まだ嫁ぎ先を面倒見てあげてないの、さすがにどうなの?って思ったけど、まぁこういう結論にするためだったと言われれば納得せざるを得ない。刺繍の腕を見て「金になる!」って思ったからこその求婚ってことでいいんだと思うけど、気になったのは何故ひとっ飛びで結婚という結論に到達したのかなんだよなぁ。誰かの妻になったら簡単に刺繍を依頼することができなくなるから先に確保ってこと…じゃないよなぁ?金になる技術を持った女性を自らの妻としたいという方久なりの愛の形と見るべきなのか。文脈的には愛の形…なんだろうなぁと思うんだけど、ちょっとわかりにくいような気も。
 
直虎…じゃなくておとわと龍雲丸は完全に夫婦みたいに暮らしてるけど、おとわは龍雲丸のことをいまだに「頭」って呼んでるんだよなぁ。これ結構ショックだったかも。普通に肉体関係もありそうなのに、どうして名前を呼ばないんだろう?龍雲丸は「とわ」って呼んでるのにね。二人の距離感を出しておくための演出なのかなぁ。元龍雲党の女の子との邂逅を浮気と勘違いしてヤキモチ焼いて長芋を振り回すおとわはめっちゃ可愛いし恋女房って感じなのに、どこか龍雲丸が気を使っているところ、おとわもどこか空疎に見えるところ、小さい小さい違和感を積み重ねて「この時間はつかの間の休息である」って感じさせるための手法の一つなのかもしれない。でもそれにしてもおとわの髪を梳く龍雲丸の構図、めっちゃ色っぽくてめっちゃときめいた!また柳楽優弥さんの龍雲丸の年齢の重ね方がめちゃめちゃ好みなんだよなぁ。昔に比べて落ち着きを感じさせつつ、「但馬様は生き返らない」とか憎まれ口を欠かさないあたりとか、真っ当に屈折したまま成長した感じがたまらん。
 
堺に行くという龍雲丸について行くかどうか。おとわの「井伊を出て一人幸せになるなんて許されない」って言い方がおとわらしい。龍雲丸と新しい土地に行くことを「幸せ」だと感じつつ、飛びつくことの出来ない律儀さ。でも律儀さにかこつけて、本心では井伊への未練もあるんだろうなぁ。そういう(人間であるがゆえの当たり前の)ズルい面をこうやって自然と愛らしく表現出来るのは脚本と演技あってこそだよなぁ。ごちそうさんでも、め以子の人間として誰もが持っている狡さを愛らしさで化粧して見事に描いていたものな。こう言うとこホント好き。
 
祐椿尼とおとわの会話。「孫が見たい」という言葉で堺行きを後押しする母上優しい。あくまで領主としての責任を背負い込もうとするおとわに「一人の女性としての幸せ」を望んでいいんだって言ってるんだよな。それでおとわは一旦堺行きを決意するんだけど、見ながらこれは翻される決意なんだよなってわかるのがまた切ない…。こうやっていずれ
 
武田侵攻と徳川勢。徳川は癒し。それにしても今回思いっきりコメディに振ってたな~。武田に乗り換えようとした直後に織田からの援軍到着しちゃうのめっちゃ笑った。そこから破れかぶれで三方ヶ原の戦になだれ込み、戦闘シーン皆無のまま敗走。早っ!負けるの早っ!!
 
攻めてきた武田に対して井伊がどう対応するかというと、逃散!まさかここで第14回が伏線だったことが判明するとは…「井伊の百姓は昔から逃散してたから」ってスゲェ伏線だなオイ!近藤殿が「あのアマが~」って乗り込んでくるのめっちゃ笑った。前回それなりに井伊に対して譲歩してたけど、やっぱり本心ではいけ好かねぇって思ってるんだよな。でも普段はそういう気持ちをちゃんと抑えて領主してるんだろうな。かわいいやつだ。って思えるこの展開がまずすごい。政次を死に追いやった張本人なのに、ここまで好感度を回復してくるのホントすごい。見事。
 
井伊谷の落城。高瀬の間者説は「まぁそうよね」って感じだったけど、意外と裏の無いアッサリした展開だったなぁという印象。イヤイヤながらも武田に従わざるをえないという見せ方だったと思うけど、「従わざるを得ない」の部分がちょっと弱い気がしたかも。前の回で直之に「名前はなくとも自分は井伊の者だ」って明るく宣言してた彼女が実は間者だったというのは確かにドラマ性を感じるんだけど、その演出として山伏?の連絡役がいきなり出現したのが微妙だったかなぁ…なんつーか「これまでもこんな目立つ方法で連絡取ってたの!?」というツッコミどころ感というか。目に見えない(暗号だけとか)方法の方が得体の知れない感があって良かったような気もする。
 
そして今週の直之。鎧姿のおとわが立ち上がった時にサッと連携して近藤殿を人質に取る直之にマジ萌え。か、カッコいい…!今回は普通に当たり前のようにおとわを「殿」呼びするところとかもホントわかってるとしか言いようがない。でも無理に「殿」としての役割を押しつけたりはしてないんだよね。もう自然と呼んじゃうんだ、仕方ないんだ、みたいな感じなのが上手いよなぁって。おとわを殿だと思っているけど、殿ではいられない現状をきちんと受け入れてもいるんだよね。あのキャンキャン吠え立ててた直之が…と思うとホントその成長っぷりが頼もしい。