おんな城主直虎 第26回「誰がために城はある」

今回のサブタイは内容をダイレクトに示してくれてありがたい!原作のヘミングウェイの方は未読なのでパロ成分があるかは謎。気賀に城が作られることになり、それによって気賀の商人たちの間でも対立が起こる。それを直虎が仲裁し、めでたしめでたし。そして方久が金の匂いをかぎつけ、気賀に入る城主が井伊となることは出来ないか?と言い出す。という展開。

気賀が気がかりで仕方ない直虎に対して「お前はどこの領主なのだ!?」と声を荒げる政次、控えめに言ってサイコーだった。あーやって突然鶴に戻るのズルいよね!(喜)そして言ってることがまたド正論でさぁ。龍雲丸のことをいちいち気にするけど、この前の働きはまず六左や方久の尽力があってのこと。龍雲丸だけを気にかけるのはいかがなものか。まさしく正論なんだけど、見ている人間には嫉妬にも見えるこのシーンの多重性がムフフって感じ。少なくとも直虎の執着の相手が龍雲丸じゃなければここまで声を荒げたりはしないのかなぁって。そして南渓和尚に泣き言を言えちゃうあたりが、政次の今現在の恵まれてる環境を表してる。たった一人で耐えてる政次はもういないんだな。いやー本当に報われてくれて嬉しい。後はこの幸せな日々が消えてしまうのを待つのみか…(涙)

相変わらず面倒ごとに首を突っ込みたがる直虎だけど、もはや「直虎ならうまくまとめてしまうかもしれない」とすら思わせる貫禄っぷり。あるいは「自分なら何とか出来るかも」という自信も見せて、確実な成長を感じさせる。商人たちが一応直虎を立てるのは、領主ということもあるのだろうけど、これまで積み上げてきた実績もあるんだろうな。「なにか突拍子もないことをやる人だから」って思われて一目置かれることの面倒さと利点。ほんと成長してるよなぁ。

そして商人たちをうまく言いくるめて(笑)うまくまとまりかけた時の龍雲丸の「ちがーう!」というちゃぶ台返し。ここで龍雲丸がヤケになってますます反発するんじゃなく、出て行くっていう矛の収め方なのが絶妙だった。下手にトラブルを大きくしないのに緊張感を保ち続けられる脚本の上手さよ。龍雲丸のわだかまりを解きたい直虎だけど、その場ではわかり合えないままなのもいい。誰も彼も、簡単には変われないしわかり合えない。けれど、他人の言葉は心に残ったまま、その後の決定に微妙に影響を及ぼしていく。直虎のこれからの決定には龍雲丸の「アンタだったらそういう城主になれるのか」という問いかけが、龍雲丸の決定には直虎の「城が悪いわけではない。そこに居る人次第だ」という真理が、ずっとどこかに刺さったままなんだろうなって。

今週の直之は相変わらず良かった。直虎と一蓮托生、申し開きが受け入れられないなら斬りつけるまでっていう覚悟の仕方がカッコいいし、龍雲丸に対して「斬りたくないから帰れ」って言うシーンも良かった。普段ギャンギャン喚いてる直之だけど、いざという時にあの緩急を付けてくるから、ギャンギャン喚くのは多分自分の役割だって思ってやってる部分も大きいのかな。いつも思うけど、直虎と変わらない(むしろ直虎の方が大きい)背丈でちょこちょこと直虎の側についてる姿が本当に可愛いし忠犬だなって…はー直之可愛い!

寿桂尼さまお久しぶり!お元気そう(?)で何より。でもやっぱり弱ってる演技になってるのすごいな。
・高瀬に聞かせたくない新婚の噂話ってなんだよwww
中村屋本田博太郎さんサイコー!本心の読めない不気味な商人の印象だったのが今回一気にお茶目路線をあらわにwww