おんな城主直虎 第10回「走れ竜宮小僧」

先週のラストの政次の「奥山殿を斬ってしまった…」で今後政次がどれだけ苦労するのかと一週間ヤキモキしてたのに、導入で直親による華麗な推理が披露されて、あっさり真相発覚して気が抜ける。奥山は直親にとって義理の父でもあるのだけど、感情に流されずに真相だけを追い求めようとしてる感じが、直親のいいようのない掴み所のなさを上手く表現してると思う。去年の三成と同じ匂いを感じたなぁ。三成は他人に好かれることを諦めて効率重視で突き進んでた気がするけど、直親は必死で対人スキルを学んでるような気がするんだよねぇ。深読みしすぎかもしれないけども。
 
「真相などどうでもよい!小野を排除するいい機会だ!」って息巻く直平じいちゃんマジ直平。そして小野の名代として殺された奥山の娘であるなつが出てくる!まぁ先週あれだけ政次と心を通わせてたもんね。このまま井伊に何事もなければ、なつは政次の妻になってもおかしくなかったと思わせる色香があそこにはあったよね。だからこそこの嘆願に説得力がある。そしてそのすぐ後に、なつの嘆願は次郎の仕掛けた作戦だということも明かされる。次郎がこうやって策を練ってことを動かそうとするのって初めてな気がする。そしてそれは次郎の覚醒でもあったのかもしれないと思う。こういう一皮むける的エピソードを、さり気なく見せるのいいなぁ。
 
その後も次郎は政次のイメージアップ(?)のためにいろんな人にひっそりと働きかける。直平じいちゃんには「小野は心を入れ替えたようだ」「奥山殿の怨霊が怖くて写経をしているようだ」と気の小さいような噂を立て、政次には「奥山殿を弔うために写経はどうか」と勧めてみせる。双方へ微妙なニュアンスの違う伝え方をしてあるので、双方が同じことを話題にしてもちゃんと会話は破綻しない。ここではこのエピソードだけだったけど、多分次郎は同じようなコトをいろんなところに仕掛けて、少しずつ小野の居場所を作ることに苦心したのだろう。そしてその後、次郎の苦労は一気に報われる。
 
直親と政次の和解は、とてもいいシーンだったよなぁ。まぁ、検地の時のムチャ振りを「これで借りを返したぞ」っていうのはどうなのよとはちょっと思ったけど。だって直親は政次のために誤魔化したり言い訳したりしたわけじゃなく、正しく推理しただけだよね?まぁ、先入観なく事件を推理したことそのものを評価すべきというのは確かにその通りなんだけどさ。ともあれ、直親と政次はここに初めてお互いがお互いを認め合っているということを確認して、今後力を合わせていくための土台を作ることができたのであった。つまり、作った土台は踏みにじられるのが定石。破滅への序章がどんどんクライマックスに向けて突き進んでるってことだよ!ツラ…この大河本当にテンプレを上手く使うよね…!
 
・虎松誕生。梓弓を手持ち無沙汰にベベンと打つ直親の描写がいいね!こういう細かい描写は歴史好きにウケると思う。
・直親が「いい父親であろうと努力してる」ように見える。これって演技プランなのかなぁ、それとも素なんだろうか。演技プランだとしたらど偉い才能のような気がする。今後見守りたい役者さんだ~!