いだてん 第3回「冒険世界」

第2回がめっちゃ面白かったので時間を作って録画してあったのを早速視聴。やっぱりおもしろ~い!純粋に見てて「ワハハ」って笑える面白さ。コントみたいなやり取りがそこかしこに差し挟まれて、怒濤の勢いで押し流されるこの感じ、嫌いじゃない。ていうか、これ「あまちゃん」のノリだ~!大好き!

長兄~!海軍の士官学校に入れずに落ち込む四三に対する態度が父親そのものだよ~;;やっぱりいい兄ちゃんだ~;;自分たちが中学に行けなかったから弟に中学に行かせたい、せっかく中学に行ったんだから好きなことをやれ、ひとかどの人物になるには夢中になれることを探せ…重苦しくならないギリギリのラインで他人に自分の憧れを託すの、田舎あるあるな感じでなんか地味に抉られる。それに対して四三が罪悪感を感じるのがすごいリアル。でもこの罪悪感も、最終的には許してもらえるっていう甘えも内包している、家族ゆえの温かいエピソードにまとまっていたように感じられてほっこりした。とにかく中村獅童さんの長兄がすごくいいよ~;;「抱っこされに行くのか」「いや、さすがに今さら抱っこは」みたいなやり取りも最高だった。演技の息ピッタリじゃん。

東京へ行く四三を家族総出で見送り。金栗家一家揃ってテンション高すぎて笑うしかない。ドン引きの美川君の「キミのアニキヤバい(意訳)」というセリフに全力で同意するけど、そのヤバさがクセになるのも事実。それにしても長兄の見事な鼻水顔を作ったメイクさんに脱帽する。きれいに(?)鼻水垂らして叫ぶ演技をする獅童さんと勘九郎さんにも感嘆する。そして四三の朴訥なキャラクターはこの家族の中でこそ育まれたって素直に納得できた。良いシーンだった。

美川君役の勝地涼さん。私の中では八重の桜の山川健次郎のイメージが強いんだけど、今回の役はモロ前髪クネ男だ~!って懐かしくなった。あんな短い登場時間だったのに、我々視聴者に強烈な爪痕(?)を残した前髪クネ男…宮藤官九郎さん脚本の勝地涼さんはやっぱりこの路線で輝くんだなぁ。あと地味にお堅いイメージの山川健次郎とのギャップ自体が面白い。健次郎は小説をバカにしてた気がするので、美川君が漱石に傾倒していく姿が感慨深い。役がそうやって巡り巡るの、大河の醍醐味だよな~。

三島家劇場も面白すぎた。白石加代子さんのビジュアルがもうそれだけで完全勝利って感じ。シマちゃんの「漢字わかってんじゃん」に大笑いした。あの字幕はズルいよ~。あと「杖がむき身でございます」www あの匕首の存在自体は、三島家の関係者にとっては日常なんだな~。もうこの数分間だけで今後の三島家劇場の面白さが約束された感あった。こんなの好きにならずにいられないよ~。ズルい。

スヤちゃん。SLとチャリの併走シーンがすごいとネット上の話題の方を先に見てたけど、実際に見たら想像の数倍スゴかった。確かに自転車は結構速度出せるものではあるけど、あの衣装であのセリフ叫んで演技しながら爆走しつつ、それを楽々こなしているように見せてしまう綾瀬はるかさんの身体能力、本当にすごいな…。さすがバルサ。四三とスヤちゃんの関係も、状況やセリフを一つ一つ見るとどう見ても恋愛パートなんだけど、実際に見ていると心地良い程に色恋オーラがなくて、スッキリサッパリ爽やかシーンに仕上がってるのが不思議。でもこの感じすごく四三とスヤちゃんに合ってると思う。スヤちゃんが四三に惹かれた理由がイマイチわからないけど、あの提灯持ってすっ転んだときおぶってもらったエピソードが効いてるんだろうか。そのあたりはそのうち語られるのかな?(四三がスヤちゃんに惹かれるのはわかりすぎる。あの眩しすぎる笑顔の綾瀬はるかさんに惹かれないなんてありえない…)

兄に「夢中になれることを」って言われた四三が、ついに「マラソン」と出会う。天狗倶楽部のむさ苦しい面々を目をキラッキラさせて見つめる四三が眩しい。北三陸で海女(=夏ばっぱ)に出会ったアキのキラキラした目を思い出す。自分にとっての特別な何かに出会う瞬間、というのが宮藤官九郎さんの究極のエモさなのかな~?と思ったりした。ボーイミーツガールな四三とスヤちゃんよりも、ボーイミーツボーイな四三と天狗倶楽部の方がキラキラとドキドキが伝わってくるの、宮藤官九郎さんらしさだなぁと思ったりも。

ここで一気に第一話に繋がっていく構成だって気付いて上手いなって思った。あの(私にとってはすんなり理解しがたかった)第一話がこうやって後から本編(?)で補完されていくというトリッキーな仕掛けに唸る。でもこういうのはわかりにくさに直結するから、視聴率的にはマイナス要因なんだろうなぁと余計な心配もしてしまう。自分が楽しく見られさえすれば視聴率とかはどうでもいいんだけど、低いとメディアでの叩かれ記事が増えるのが面倒。クリックしないけどタイトルだけは目に入ってくるし…。自分としては読まなければそれほど実害は無いけど、制作陣とかNHKの上層部とかがそういう「世間の評判」を気にして本来の作りたい作品が作れなくなったりしなければいいなぁと心底思う。まぁ、既に脚本は三分の二くらい出来上がっているらしいので、この路線がそのまま続くと信じたい。

そう言えば神木隆之介君は五りんとしてちゃっかり弟子入りしてた。冷水浴びて乾布摩擦してたけど、四三の子孫なんだろうか?あからさまな謎提示なので楽しみに回収を待とう。