いだてん 第2回「坊っちゃん」

あ、あ、すごい面白い!ちゃんと面白さがわかる!!良かった!

そうそう、大河ドラマの第一回てこんな感じ!って印象の第二回だった。どうしてこれを初回にしなかったんだろう。最初にこれを見てたらそこまで不安にならなかったのに。(これ見るまで面白がれるかどうかかなり不安だった)

金栗家の描写、あんなに短い時間でわちゃわちゃと描かれているのに、もう既に必要最低限の情報はしっかりと視聴者にすり込まれてるのすごい。子だくさんで裕福と言えるほどではないけど経済地盤はしっかりしていて安定してそうなこと、長兄は一見厳しく見えるけど家族への愛情深い人であること、四三は口数が少なく気も弱そうだけど意外と頑固な面もありそうなこと。

特に長兄~!中村獅童さんは八重の桜での佐川官兵衛役がすごい印象に残ってて(感動的な酒宴のあとの大遅刻w)粗野に見えるけど実は優しい、みたいな役をやらせると本当に魅力的だよなってしみじみ思う。走って学校に行け、行かないなら学校部屋だ!と頭ごなしに怒鳴ってるのに、その根底に愛情があるってわかるのすごい。四三を内心かなり気にかけていて、死ぬ間際の父親に「進学させたい」と言い出すのとか本当に頼れる長兄そのもの。海軍に行きたいという四三に対して一瞬困惑してたのは何か理由があるんだろうか。思うところがありそうなのに結果的には四三の好きなようにさせてくれるのも見ててほっこりした。

「父が嘘をついた」に笑ってしまった。あんなわかりやすい嘘、家族はみんなすぐに気付いたんだろうなぁ。それでも話を合わせて丸く収めてしまおうとするお婆ちゃんとかあるある過ぎる。とりあえずの家長の精一杯の虚勢を立ててやろうという気遣い、父も家族が誤魔化されてくれてると知っていて、お互いに内心妥協してるあの感じ。昔の大家族の原風景みたいな懐かしさがあった。その中で一人だけ父の嘘にうちひしがれてる四三がかわいそかわいい。

スヤちゃん。提灯持って必死で四三追いかけてすっ転ぶシーン可愛かった~。その後四三におんぶしてずっと「すいません」て言ってるのも可愛かった。ほんのちょっとの子役シーンで猛烈に印象づけてくるのすごい。綾瀬はるかさんに変わってからはなんかもう圧倒される存在感だった。大声で歌う綾瀬はるかさん可愛すぎか。自転車節はこれからもかなり重要アイテムとしてでてくると見た。

そして四三。子役の子が本当に朴訥ないい感じだなぁ思ってたけど、あとからWeb記事等で「あまり演技経験のない子役の素を撮りたくて、台本読ませなかった」みたいな記事を見て納得してしまった。そういう演出もあるのかと驚いた。口数の少なさが印象的だけど無口な性格とかおとなしいとはちょっと違って、頑固でしっかりと考えもあって、でも単に「口に出さない」みたいな微妙なニュアンスの性格が良く表われてたと思う。そして中村勘九郎さんに役者がバトンタッチしたときに「あの男の子が成長した姿だ」ってすんなり納得できるのが本当にすごい。役者さんも演出もめっちゃ力入れてるのがわかる。

奇声を上げながら冷水浴(どう見ても素っ裸w)してる中村勘九郎さんがどう見てもヤバい人で、でもそういう部分が四三らしさでもあるというのがこの回を見るだけですんなり納得できるのもすごかった。本当に宮藤官九郎さんはキャラ立てが上手いよな~。キャラ立てが上手いというより、キャラが立っていることを表現する場面やシーンを作るのが上手い、のかな。今回は本当に演出と脚本と演技がしっくり噛み合ってる回な気がした。さすがあまちゃん組。本当に、どうしてこれが第一回じゃなかったんだろう?そのうちその理由がわかるんだろうか。

俄然一年間楽しみになってきた!既に2週遅れ視聴になってるけど、早いうちにリアルタイムに追いつきたい。