いだてん 第1回「夜明け前」

うん!正直なところ、時代が行きつ戻りつしすぎて内容がさっぱり頭に入ってこなかった!

今回、視聴前にあらかじめの予備知識をほとんど持たないまま、中村勘九郎さんと阿部サダヲさんのダブル主演だということと、明治と昭和の二つの時代の話をリレー形式でやるということくらいしか知らないままの初回当日だった。他の出演者もほぼ知識無しで見たので、とにかく整理しなきゃいけない情報量が多すぎて頭がパンク状態。阿部サダヲさんが出てくれば「これは昭和パート…」とインプット出来たのだけど、もう一方の中村勘九郎さんは終盤までほぼ出てこなかったので、途中「役所広司さんは明治パート」と認識出来るようになるまではもうほとんど雰囲気で見てた…(テロップの年代表記がイマイチ頭に入ってこない病に罹患中)

せっかくの星野源さんとか神木隆之介くんとか松坂桃李さんとか、あと竹野内豊さんとか、誰が誰やら全然整理できてない…その中で飛び抜けてキャラが立ってた天狗倶楽部のインパクトよ。あっ!これ明治!!ってすぐ頭に入ってきたもんな。

もっと事前に出演者とか時代背景とかいろいろ調べてたらもっとすんなり理解出来たんだろうなぁという反省はある。あるけどそれ前提でドラマ作られてもなぁという気持ちもある。ドラマ初回なんて、もっと気軽に「見てみようかな~」くらいの気持ちで見られる方が良くない?それとも私が「理解しなきゃ」と気負いすぎているだけなのかなぁ。

一番混乱したのがビートたけしさん演じる志ん生師匠の立ち位置というか役割。なんで突然落語が出てくるのかわからなかったし、ビートたけしさんの演じる時代が明治なのか昭和なのか混乱しながら見てたけど、あとから考えたらビートたけしさんは昭和パートの人だというのは明白だったんだよな。テレビで落語を見てる人がいるってことは確実に昭和…考えてみれば当たり前だわな。ただ、私の中で明治~昭和初期(=太平洋戦争後あたりまで)って変化が急激すぎてかえって渾然一体としてるので、それをこうやって矢継ぎ早にいれかわり立ち替わり見せられると混乱しかなかった。そして見終わってからサイトとか調べてやっと、志ん生師匠が(昭和時代に)明治パートを語るという演出だということ、そして志ん生師匠の若い頃が森山未來さんで、途中から語り手が変わったのはそういう演出だったということがわかった。わかりにくっ!まぁ私の理解力の問題かもしれないけども。

まだ一回しか見ておらず、見直したらもっと理解度が深まることは確かなので、あとでもう一回見ようかな~とは思っている。とりあえずの記録として混乱の極みの初見感想を残しておく。

初めてオリンピックに選手を送り出そうとする嘉納治五郎の話がメインになってからはすごくわかりやすく面白かった。天狗倶楽部の暑苦しく胡散臭い感じが本当に興味深かったし、御曹司っぽい三島弥彦生田斗真さんめっちゃハマってた!)の悪気のない傲慢な言い分とか本当に「らしく」て最高。それ以外の倶楽部員も濃いメンツばかり&むさ苦しくて無駄に脱ぐという誰得な演出だったのがまた良かった。それに一見振り回されてる感がありつつもしっかりちゃっかり自分の理想のための足場を固めちゃったりもするのが嘉納治五郎という人なんだとすんなり納得できたのも良かった。

オリンピック、果てはスポーツとは「楽しい」ものなんだ!という治五郎の主張に、思わず「確かにそうだよなぁ」と言われてみればの目から鱗感を得るなど。最近、スポーツを見るためにルールがどうとか選手がどうとか余分な情報で頭でっかちになってる感、確かにあるなぁ。スポーツに限らず、ドラマを見るときも脚本家がどうとか演出がどうとか、やっぱり情報優先で見てるところがある気がする(というか自分がそういう見方が好きという面もある)ので、そのあたりをリセットすることを考えたりするのもいいかも。

杉本哲太さんの演じる永井教授が選手派遣を反対するのにも一定の正論みがある作りだったのも良かった。「国民の期待を背負わされて走らされる」というのは確かにそういう面もある(というか今現在も解消されていない問題だ)と思うし、それが解消されることは絶対にないとも思うので、今後ずっと抱えていく課題なんだろうな。その上で「せっかくやるのだから精一杯楽しく!」という目標とどうバランスを取って向き合っていくのか、考え続ける必要があるというメッセージでもある…のかなぁ?一応そう受け取った。

あとは最後の金栗四三の激走までノンストップで面白かった。特に赤い隈取り(帽子の色落ちw)が歌舞伎然としてるところとかサービス精神の塊って感じ。赤い色が落ちたのは史実らしいけど、隈取り風だったのはオリジナル…だと思ってるんだけど、どうなんだろう?最後にようやく主役が出てきたので、しばらくは金栗編モードで落ちついて鑑賞…できるといいなぁ。

クドカン脚本は「あまちゃん」がドストライクで大好きなので今年の大河も楽しみにしていた気持ちはあれど、大河っぽくない大河(謎定義)になりそうだなぁという漠然とした不安も発表時からず~っとあって、心から「面白かったぁ~!」と言えるか心配な面もある。年末にはそれを蹴散らす満足感で満たされていることを祈りつつ。近年の傾向を見る限りなんとなく叩かれ大河になる予感もするので、なるべくメディアの評価とか無責任な視聴率記事とかから目をそらしつつ、自分なりに楽しんで一年間お付き合いしたい。

そういえば、今回「夜明け前」で次回「坊っちゃん」だったから、サブタイは本の題名縛りでいくのかな?私は文豪の名作をほとんど読んでいない人間なので内容とは全然比べられないけど、そういうコダワリの小ネタは全力で応援したい。楽しみです。