西郷どん 第32回「薩長同盟」

なんかいろいろと思うことはあった気がするんだけど、とにかく薩長同盟締結までの過程が気持ち悪すぎて逆に印象深かった。

お互い意地張って無言のにらみ合いになるのはまぁ、わかる。でも、それを打開するのに西郷の才覚じゃなくて、長州嫌いの薩摩藩士をドカドカと会談場所に乗り込ませるっていうのがまずすごい斜め上展開だった。その上乗り込んできた異分子に会談の場で相手を感情的に罵倒させちゃうのもすごいし、それを丸く収めるための説得材料が「イギリスでは薩摩と長州の留学生が仲良くやっている」という超理論なのもすごかった。たった一組仲良く出来ている事例を見るだけで「自分たちも手を取り合える」と改心出来る程度の薄っぺらい理由で反発してたのかお前たちは…ってドン引き。子供過ぎるだろ。あと条約締結への一番の原動力が、あれだけイキってた海江田を跪かせるほどの「同調圧力」だったってところがものすごい日本の組織あるあるって感じで、めちゃめちゃ精神的にしんどかった。あのイヤだって言えない、言わせない雰囲気…リアル過ぎて引きつった笑いしか起こらない。海江田は本当にアレで納得したのかね…いや、私は海江田の言動にも思想にも全然共感できないからどうでもいいんだけどさ…。

後から冷静に考えると、あそこは多分「意地を張って頭を下げられない人々に対して、西郷(と大久保)は率先して実のために頭を下げることが出来るという主人公スゲー成分」と、「反目し合っていた二藩が、理想のためにそれまでのわだかまりを捨てるという高潔さ」みたいなのを思いっきり押し出してるシーンなのかなぁとは思う。そういう分析は出来るけど、じゃあそれを感じ取れるかというと、無理だったなぁ。なんだろう、何がダメなんだろう。やっぱり頭から脚本に対して不信感があるのがダメなのかなぁ。

  • 大久保の妾は今後何か役割があるんだろうか。あまりに唐突な説明描写に苦笑い。
  • やっぱり西郷が小松帯刀と同等かあるいはむしろ自分が上くらいの態度で会話してるのがめっちゃ気になる。お前そんな身分ちゃうやん。
  • 押しかけ薩摩藩士の中で、やっぱりピカイチで大山はいい演技見せてくれた…

次週が「糸の誓い」!?!?あと15回しかないのにまだ薩長同盟という進行状況で、糸さぁメインで(かどうかはわからないが)1回やるというこの大胆さ!!最近は「どう間に合わせるのか」という意地の悪い動機で視聴を続けているけど、まぁいいよね。あと愛加那と糸さぁをどう整理するのかも下世話な興味がある。ちゃんと描かれるかどうかはわからんが。