西郷どん 第26回「西郷、京へ」

先週はNHK働き方改革だかなんだかの関係で挟まれることになった番宣スペシャルだった。先週の番宣自体は「今後の革命編に出てくる目玉キャスト紹介!」って感じで、「小栗旬の龍馬はこれ単体でじっくり見てみたいなぁ」とか「御屋形様が勝海舟って笑えるw」とか「これまた悪そうな岩倉具視やでぇ」とか、かなり面白そうじゃね?という印象だったのだけど、26話を見た感想がそっくりそのまま「小栗旬の龍馬はこれ単体でじっくり見てみたいなぁ」とか「御屋形様が勝海舟って笑えるw」とか「これまた悪そうな岩倉具視やでぇ」だったので、先週の番宣の意味とは一体…という気になっている。時間つぶしですよねそうですよね。

島から戻ってきた吉之助がしたり顔で島民からの搾取について語ってるんだけど、願わくばそれ、最初の流罪の後すぐにやって欲しかった反省会だった。今さら感が拭えない。そしてここまで来ても島民の待遇の改善策は皆無なことに愕然とする。問題だけぶち上げて「どないかせんといかん」って言うだけで英雄扱いされるの違和感ありまくり…問題点を指摘するだけなら誰でも出来るわい。

久光は相変わらずネタ枠というかきかん坊みたいな扱いになってたけど、やってることを冷静に判断したら久光は結構優秀な国父だよなぁ。個人的に、目の前の短期的目標を達成することにはすごく優秀な人なんだと思う。京に出てくる決断といい、その際に朝廷に上手く取り入って幕政改革ぶち上げるところといい、実際に慶喜や春獄擁立するところといい、やってることはことごとく理にかなってるし。もちろん、帯刀あたりのブレインが優秀だったのもあるだろうけど、そういう家臣をきちんと使えているというのがまず優秀なトップだよな。壮大な未来図が描けなかったというのが弱点ではあったのだろうけど、暗愚的な描き方はちょっと解釈違いかなぁ。いや、まぁこういうきかん坊な久光はそれはそれでキャラとしてかなり好きなんだけども。

慶喜が「井伊直弼ってすごいヤツだったんでは?(意訳)」って言った時、「おっ!そうくる!?慶喜が直弼見直すとかちょっと面白くない!?」ってワクワクしたら、次の瞬間わかったような西郷に「それは違う」って断言されて、お前さぁ~そういうとこだよ!そういうとこが薄っぺらいんだよぉ~!!と歯ぎしりするの図。たった一瞬のワクワクであった。もうちょっと夢を見ていたかった。どちらの立場にもそれぞれの正義があり、だからこそ対立せざるを得ないって方が重く響くと思うんだけどなぁ~。それともそうやって断言しちゃう吉之助の薄っぺらさが描きたかったというならそれはそれで面白いんだけど、これまで見て来た感じそういう方向じゃなさそうだしなぁ。

慶喜の覚醒(?)のシーンは松田翔太劇場という感じで堪能した。裏しか無いというあの白々しい目と表情の演技たまらんな…!そしてそれに困惑しっぱなしで「えっ?えっ!?!?」て顔の吉之助の演技がまた素晴らしかった。こういう演技の細かい部分は本当に面白いと思う。それにしても慶喜が覚醒(?)するに至った経緯(というか暗殺事件?)がサッパリわからなくて混乱した。以前、八重の桜を見ていたときは、この時期の京都での各藩の力関係ってもっとわかりやすくて面白かったように記憶してるんだけど、今回本当にわからない。慶喜と吉之助がなぜか仲良しであることと、その上で慶喜や吉之助が何を目指してどう動こうとしているかも作中できちんと語られていないため、何が起こっても「ふぅん」という受け身でしか見られない。慶喜が「誰が味方で誰が敵かわからない」と嘆いていたけど、おそらく見てる人も全然わからないし、もしかしたら書いてる人もわかってないのでは?という気もする。別に謎解きじゃないのでわからないままでもいいのだけど、わからないものをわからないまま描くのは、よほど上手く仕上げてもらわないと誤魔化されているように感じてしまうんだよなぁ。こういう部分で脚本家への信頼感が下がる。