西郷どん 第8回「不吉な嫁」

須賀どんが嫁いできてから父母と連続して亡くしたことで、近所から「不吉な嫁」と呼ばれているらしいけど、母に関してはそもそも「私がもうすぐ死ぬから早く嫁をもらえ」って話で進めた婚姻なんだから言いがかりだろう…でもまぁそういう噂が出てしまうのはこういう地域コミュニティではある程度想定内というか、あるある話というか…でもそれが今回の話の大きなストレスにはならなかったのはすごく良かったと思う。具体的に言えば、実際に噂されてる場面を入れなかったのが自分の中では評価が高い。


結婚して一年くらいは経ってるのかな?吉之助に対して遠慮が減っている須賀どんの口調が可愛かった。貧乏な家に嫁いできて、それが不満というわけではないんだけどやっぱり勝手が違うことも多くて、でもその中で前向きに馴染もうとしてて微笑ましい。それでもどうしようもなく西郷ファミリーとは考え方が相容れないあの感じ、すっごいリアルで笑ってしまった。西郷家の中で須賀どんが微妙に浮いていた(けどそれが居たたまれないほどではなかった)というあの空気感が素晴らしかった。嫁がいまいち我が家に染まらない…でも母親はもういなくてこの家の切り盛りは嫁に頼るしか無い…というあの微妙な家族間の空気が面白すぎた。

 

本当は江戸へ行きたいのに、三十両の支度金にビビって(あと須賀どんの反対もあって)諦めようとする吉之助と、それに反発する正助、という今回の話の根幹の構図は良かったと思うんだけど、正助のキャラが前回から極端に変わったようにも感じられて、それがちょっと微妙だったかなぁ。お前そんないきなり「表に出ろ!殴り合うぞ!」みたいなキャラじゃなかっただろ!?糸さぁ前にしてモジモジしてた優男イメージしかないぞ!?あと吉之助、うちの嫁の悪口言うな!ってケンカするのはむしろ好感度上がったんだけど、諦めたと言いながら桂さんの「準備進んでるか?」に対してモゴモゴ誤魔化しちゃうのは微妙だったかも。未練がましいオトコだな!?

 

西郷ファミリーが正助に対して吉之助を(江戸に行くよう)説得してくれって頼み込むシーンは朝ドラ風な安直さだったなぁ。あの人物配置、どうみても須賀どんに聞かせる気満々だっただろw 地味に西郷ファミリーの陰湿さがアピールされたw そして吉之助を説得する前に金策の見通しを立てたほうがいいのでは?と視聴者が思い始めた瞬間、みんなで内職頑張り始めるの笑ったwww そのペースで普段からみんなで内職頑張ればもっと暮らしが楽になるのでは!?!?

 

須賀どん中心のドラマとして見ると過不足なくて、かつ須賀どんのいじらしさを堪能できてすごく良かったのだけど、一方でそのために吉之助が割を食ってしまったのが残念。須賀どんが吉之助に惚れたのは見ていて良くわかったのだけど、吉之助が須賀どんに惚れているようには見えなかったのが一番ガッカリだったかなぁ。あれだと単に「貧乏な家に嫁に来て不満も言わずによく働いてくれる」ことのみをありがたがっているように見えてしまい…もっと須賀どんに対して「可愛い!好き!」と感じている吉之助を見せてくれてもよかったのに。あとは須賀どんが手切れ金という形で金策してくれたことについて、気付いたならちゃんと「その気持ちはきちんと受け取った」と伝えてあげて欲しかった…一人で心の中で感謝してるだけだと何も伝わらないぞと言いたい。


最後、橋の上で須賀どんとその父上が種明かしをする部分。正直説明しすぎで蛇足と感じてしまう派なんだけど、入れた方がわかりやすいというのはわかる…あと橋本愛さんの見せ場という意味でもあって良かったのかもとは後から思った。あと父親とどこまで打ち合わせて離縁の話に行ったのかはわかりにくかったので、あの場で初めて父親も知ったというのはあのシーンがなければわからなかったし、そういう意味でも無意味ではないのかな…?橋の上で大きな月の影になって泣き崩れる構図は厨二全開でとても印象的で良かった。


篤姫と吉之助の対面シーンは、いろいろ設定に無理があったとは思うけど、諦めかけていた江戸行きについてもう一度自分の本心と向き合うという点で外せなかったのだろうな、という事情はわからなくもない。あれだけのシーンで「ただの良家の姫ではなく、何者かになりたい」という篤姫の情熱は伝わって来たので、少ない見せ場でキャラを立てるという才能はやっぱりある脚本家さんなのだと思う。しかしやっぱり吉之助の仲間は全然ピンと来ない…意図的なのかなぁ?モブ仲間のキャラを立てないと言うことにどういうメリットがあるのか想像がつかないので、今後の成り行きを注目したい。

 

斉彬がダメ主君に見えてしまってとてもツラい…「オレ知ってたし」みたいな虚勢とてもツラい…