おんな城主直虎 第38回「井伊を共に去りぬ」

風と共に去りぬ」ってことは龍雲丸は去り、おとわは残るってことだよなぁ。
 
氏真の笙の音が寿桂尼様を呼び寄せたのか…そうか…信玄の死因は寿桂尼様の呪いだったんだな…納得。これ、氏真が必死で召喚したんじゃなくて、本人は徳川陣営でのほほんと「おばば様がなんとかしてくれるかもしれぬのぅ」とかお花畑風に言ってたのが笑える。それにしても氏真は前にも瀕死の寿桂尼様を呼び戻してるし、天然のネクロマンサーなんじゃなかろうか。もうすっかり癒し要員として定着した感のある氏真さん、今後の活躍も期待しております。
 
マツケンの信玄公、とにかくビジュアルが一発芸っぽくて見るたびにコメディかって感じだったんだけど、それでもやっぱり出てくると画面が引き締まるんだよなぁ。あのビジュアルなのに南渓和尚と甲斐の国について語ってるシーンとかめっちゃカリスマ感じるもんなぁ。時代劇役者の面目躍如って感じだ。物語内では武田は災厄の同義語みたいな使われ方してるんだけど、実際に演技見るとすごくチャーミングなのもギャップが面白かった。寿桂尼様にとことん苦しめられてるあたりも愛嬌あった。でも厄災だけど。
 
龍雲丸とおとわの別れ。おとわは多少井伊に心残りはあれど龍雲丸と生きていく覚悟を決めていて、村のみんなもおとわを特に引き留めようとしてなくて、龍雲丸だけが「領主としてのおとわの生き方」を諦めきれないっていう描き方がめっちゃ少女漫画だなぁ~。個人的には龍雲丸の「残れ」って言葉にこれ幸いと一度で素直に従うんじゃなくて、「頭と一緒に生きていきたい」っていう女としての願望を泣きじゃくって訴えたのが良かったなぁと。そういう平凡な願望も持っているおとわが、他でもないその龍雲丸に「残れ」って言われて覚悟を決める展開がキュンとするよなぁって。辛い決断を後押しする時に「俺のためにそう生きて欲しい」って言うのが多分私の萌えツボなんだけど、これはあれだ。尚之助が八重に東京で会って「前を向いて進め」って言うのと同じだ。ブレてないな。そしておとわが結局一緒に行くのを断念したのは、もちろん井伊が気がかりだったというのはあるんだろうけど、龍雲丸の望む生き方をしたいっていうのもあるんじゃないかなぁと思った。
 
ただ、正直この展開なら龍雲丸がおとわの側に残ればいいんじゃないの?って思ってしまう部分もあったんだよなぁ。多分龍雲丸にとっては井伊に留まることは苦痛なんだろうってことはわかるけど、おとわと別々に生きることもやむなしと思った根拠みたいなのが弱かったように思う。そのあたりをもう少しでも掘り下げてくれたら更に良かったのに。おとわが井伊に残ることについてはすごく納得いったんだけど、龍雲丸の心情がいまいちピンとこなくて、そこだけは消化不良。おとわと離れることが龍雲丸にとっても大事なことなんだってわかる描写があれば、もう少し納得いったと思うんだけどなぁ~。そこはちょっと残念。
 
虎松~!菅田将暉さんのリアクションが、寺田心くんの虎松が成長してる姿っていうのに本当にしっくり馴染んでて、そこに三浦春馬さんの直親遺伝子が受け継がれてる感もありありとしてて、もちろんメイクとか演出とかの効果もあるんだろうけど、すっげ~~~!って笑っちゃうくらいにハマってた。「松下虎松」って名乗った時におとわが一瞬戸惑うのとか、わかってて煽ってる感がすごい。あんな一瞬のシーンなのに、一筋縄ではいかない子に成長してしまった感が溢れ出てるのマジすごい。そして龍雲丸OUT、直政INの切り替え感に苦笑せざるを得ない。何もこんなわかりやすく入れ替えしなくても…^^;;;;;