おんな城主直虎 第21回「ぬしの名は」

これまた攻めてる副題来たなー。最後に句点がないのはさすがにやり過ぎだと思ったのか、昔のラジオドラマの方からのパロディってことなのか。

「スリに財布を盗まれる→盗賊もびっくりするほどしぶとく追いかけて最終的に捕まる→身代金の要求のネタにされる」って正真正銘ダメ領主じゃないですかー!!自分という存在の意味を軽く見過ぎてる。でもまぁ直虎らしいっちゃーらしい行動ではある。そして後で高瀬ちゃんにすら説教されてシュンとしてるあたりも、直虎らしさでもあるんだろうな。

それにしても拐かされたのが紳士的な盗賊団(?)でよかったよねぇ。そのあたりのフィクション性は、キワドイ大きさのイモを口に突っ込まれたりしてる部分でセルフツッコミしてる感もあったかなー。あのあたり絶対わかっててやってる間違いない。誰かがこっそり助けに来るでもなく、身代金の交換場所でマヌケな顔で眠らされてるあたり、とことん直虎を美しくは撮らない演出なんだなって苦笑する。でも、だからこそ、男装して今川邸に乗り込んできた時のあの輝きや、夕焼けの画面で高瀬ちゃんとひっそりと語り合うシーンの美しさが映えるんだろうな。

設楽優弥のビジュアルの魅力ってこれまでピンと来なかったのだけど(魅力的な俳優なんだろうなとは思っていたけど、その魅力を実感できてなかった)、このドラマでの盗賊の頭は本当にピタリとハマったような色気と愛らしさに溢れていて、一気に魅力が(私の中で)開花した感じ。全体的に荒々しくて粗野な感じの中に、消せない品があるあの感じ。赤メッシュの入ったあの髪型といい、何風というのかわからない衣装といい、かなり気合い入れまくってデザインされてるよなーって思うし、設楽優弥という俳優のために作られている感すらある。

結構テンプレ題材でもある「支配者はなぜ支配を続けていけるのか?何の権利があって支配者として振る舞うのか?」という問題。武士というのは所詮盗人ではないか、という盗賊の頭(この時点ではまだ名前がわかってない)に対して、すぐに現在の自分の立場の危うさを理解するんじゃなく、心底「お前何言ってんだ?」って顔の直虎可愛かった。でも心の底から意外な指摘に対しても、きちんとすぐに考えて咀嚼して自分の中で判断しようとする直虎の実直さがなんとも上に立つものの資質って感じ。

・フランシスコザビエルみたいな襟飾り付けて嬉しそうな直虎かわいすぎかよ…
本田博太郎さんの中村屋が胡散臭すぎて笑うしかない。
傑山さんの筋肉美に磨きがかかってる。