おんな城主直虎 第20回「第三の女」

副題の元ネタはクリスティの「第三の女」だと思うけど、インスパイアされる内容ではなかったような…?私が第三の女の内容を良く覚えていないせいもあるけど。もしかして副題はなんとなくそれっぽければいいのか。今回で言えば、高瀬が第三の女であり、その母親であるゆきのことを言っているとも言える。直親をめぐる「第三の女」キター!

この時代、平均寿命も短いだろうし成人率だって低いだろうし、ある程度の身分のある人なら血筋を残すためにチャンスがあれば子供を作るというのは当たり前なんじゃないかなーとは思う。それはもちろん、なるべく家を存続させるためという政治的な思惑もあるだろうし、そういう雰囲気で許されるという大義名分を振りかざしていい思いする男性も多かったんじゃないかなーとか。でも、だからといって浮気を許せるかどうかというのはまた違う問題なわけで…それは戦国時代よりはるか前、平安時代の作である源氏物語でも浮気だーなんだーとすったもんだしてるんだから、もうこれは恋愛関係と切っても切れないお題なんでしょうなぁ。

直親に関して言えば、別に子供がいることを表向きは咎める必要はないわけで。ただ、今回の話でもうまく焦点をキレイにフォーカスしてたけど、直親はあの口調で散々直虎に「お前だけを思っていた(きらーん)」「お前がいなければオレの美しい思い出が…(きらーん)」て言ってきてたくせに、実はちゃっかり他にも心を通わせた女子がいて、子までなしていたという事実が判明したわけで、そりゃー「すけこましー!」って叫ばれるのも致し方なし。直虎の動揺は察するに余りある…でも笑っちゃう…ぷぷぷwww

そして隠し子騒動で直虎としのがこうやってお互いを認め合うっていう展開が、なんていうか「森下脚本だな~」って感じがした。これまでのわだかまりが、全く違う方向からの横やりでどうでも良くなってしまい、むしろこれまでの確執を共有出来る相手として親しくすら感じて仲良くなるっていうこの感じ、すごいわかりやすいし納得しやすい。和解の糸口が「相手の良いところに気付く」とかじゃなくて「共通の敵を見つけて共感し合う」っていうのが直虎としのらしくてすごく良かった。思いっきり笑った。

政次。何か今週の政次はすっごい幸せそうだった!人前では直虎と対立しているような硬めの対応を崩さないものの、その言葉が明らかに優しいし視線とかが柔らかいんだよねー。これまで「自分が井伊を守るためには直虎に嫌われるしかない」って思い詰めていたのが、第18回で直虎に本心を見抜かれてからは肩肘張った感じが取れて、根っこの部分で直虎と同じものを共有してるものの余裕みたいなのが感じられる。でももともとの性格が邪魔をしてついつい口調が皮肉っぽくなるし、優しい言葉はかけられないんだけどな!この!関係性が!めっちゃツボなんですけど!!

いやぁ、私的には政次は報われすぎていると言いたい。これは…これは幸せ絶頂だよ…絶頂でしょ…そもそも政次が直虎に抱いている想いは恋愛と言うよりは崇拝と献身みたいなもののような気がするので、その相手が自分を頼りにしてくれていて、なおかつ二人で同じ秘密(実は協力し合っている)を抱えているとか、もう完全に勝ち組だよ!ということは退場も間近なんだろうなぁ…夏くらいまで引き延ばしてくれると嬉しいな。

高瀬ちゃんが直親の笛の曲を鼻歌で歌ってホンモノ認定するっていうギミックはトリッキーで好きなのだけど、笛の音を鼻歌で歌うのってちょっと無理矢理感あるような…いや、インパクトあったし、そう来るか!って思ったし、いいんだけども。そしてあのシーンの見事さは、鼻歌を聴いた時の直虎と政次の表情の変化が全てを表していた…一瞬でおとわと鶴に戻るあの感じすごい。演技ってすごい。

そして最後に徳川の使者(僧)を見て、何やら不穏な表情になる高瀬ちゃん…ホンモノであることはおそらく間違いないと思うけど、何やら裏の面もありそうでなさそうな…どういう方向の驚きが待っているのか、楽しみ!