おんな城主直虎 第17回「消された種子島」

何かこんな題名のミステリありそうだなぁと思いながらも、ピンと来るものは思い浮かばなかった。ホームズとかに散々「消された~」とかありそうだなぁと思いつつ。
 
今回は小休止的というかいろいろ伏線仕込んでる回というか子役すげー回というか。虎松役の子(寺田心くん)すげーなおい…あんなに自然に鼻水って垂らせるもんなのか。泣く演技が演技ってレベルじゃなくて心底ゾッとした。「勝ちたいです」の言い方とかさぁ…そして虎松を見ていると亀を思い出すというこの絶妙な演出もいいよなー。幼い頃は弱くて優しかった亀が直親に成長したように、この虎松がどうやって直政になっていくのかも楽しみになるから多分今回は仕込み回なんだと思う。きっと今後、この回を思い出して「あの時の虎松が…」って思う日が来るんだろうな。
 
しのさん。前回の政次の言葉から成長ターン入ったみたいで、見てて変化が面白かった。とはいえ相変わらず気が強くて直虎に対して激高して「ならば自分で産めばいい」って言っちゃうの、さすがにダメだろって思ったけど正直気持ちはちょっとわかる。直虎がまた、子供みたいな理不尽さで「強うなれ!そんなんでどうする!」ってキーキーがなり立てるから、あの場面でしのさんに感情移入する人も多いんじゃないかな。こういう場面を見ると、直虎のキャスティングが柴咲コウである意味がすごくよく理解できる。確かにアレは柴咲コウでこそ映えるキャラだわ。それで直虎にちょっとウンザリしたところで、同じ回のうちにあやめさんの言葉で直虎の行動を「父親代わり」って気付かせるのが上手かった。あの時のしのさんのハッとした表情に、同じように「なるほど…アレは井伊の脳筋男子の思考であり血筋か…言われてみればその通りだし、父親としては当然の言い分だな」って思ったもんな。そしてその瞬間、直虎の行動に対するイライラが緩和されて、しのさんに対する更なる共感が生まれるのが面白かった。そう言われて思い返してみると、直虎としのの言い合いが、女同士のギスギスから一気に教育方針の違いからくる夫婦げんかに見えてくる不思議。「自分で産めばいい」は女同士だとキツいけど、夫婦間だと「無理に決まってるだろ!」っていうシャレになるもんなー。上手い…上手いよこの構成…いやー、手のひらで転がされる理想的な視聴者だなー。これからも直虎としのは領主とその妻みたいな関係で、反発し合いながら共闘していくのかもしれない。こういう女性同士の繋がりってなかなか他になくて面白いかも。個人的にはこの二人は親友になるよりは、今のままお互いウザいなって思いながら仕方なく共闘してくれるくらいが嬉しいかも。
 
直虎が夜中に虎松の部屋に忍び込むの笑った。あの梯子自分で持ってきたのかと思うと、あまりの直虎らしさに苦笑しか出ない。そして子供相手の特訓がひたすら指すだけっていうのどうなのよ…一手一手の意味とか戦略とか、そういうの一切無しなのか…と思ったけど、直虎にそういう理屈を説明させるのは無理だよな。そして必勝の策が「相手に勝つまで諦めずに挑む」ってあたりが…そうだよ、お前はそれでこそおとわだよ…って思わされたからやっぱり私は理想的な視聴者なんだろうなー。氏真との蹴鞠勝負での「お前それ勝ちじゃねーよ」っていうウンザリ感をここでこうやってひっくり返すとは…!ってちょっと感動した。
 
そして今回の副題に種子島入れたのは無理あったよなーって程度の種子島の扱い。之の字がドヤ顔で嬉しそうに実演して見せてる姿は可愛かったけども。そして弾を亥之助に見つかって政次に筒抜けなあたりの情報管理能力の無さも笑っちゃうけども。政次の心底心から呆れた顔に、ホント視聴者として心底心から同情したい。気苦労が絶えないねぇ…(涙)
 
 
その他
・金への嗅覚が鋭い方久が種子島量産に乗り気じゃないのが興味深い。危機察知能力ハンパないな。
・設楽君が現状ただの困った時の妖精さん扱いで、イマイチ魅力がわかんないなー。今のところベルばらで言ったらアニメ版アランみたいなポジション?
・亥之助の叔父上大好きオーラが可愛い…政次はなつと結婚しちゃえよー